チェンジ!


そこを下ればもう下は海岸という場所にある、長い下り坂。

高さもそこそこにあるため、
そこからの眺めは、そりゃあもう綺麗だった。



日が落ちて、空が青っぽく薄暗い。紺色のような綺麗な色だ。

月の明かりで水面がきらきらと揺れていて、
海はすぐそこだから、波の音がかすかに響く。




季節は初夏。

夏の夜の風は、なまぬるくてどこか冷ややかで。
何だかすごく心地よく感じる。





「よっしゃ、行くぞ!飛ばすぜぇ!」

リョウがそう言って、止めていた自転車を再び走らせた。

「あ、待てよっ!」


俺も後に続いて走り出す。





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