近距離ロマンス
「今日も勝つぞ」
「おうよ」
あたしはスカートの下に短パンをはいて、ボールをついた。
松本は、制服のズボンをまくって、スタンバイ中だ。
確かに、バスケをやる毎日は楽しい。
このメンバーでばかをして、笑うのが楽しい。
それは恋人どおしになったらできないこと…?
「あっ、バッカ!」
ボールをつきながら、ボケーっと考えごとをしていたら、昂汰くんがボールを持っていた。
「やった♪」
由宇ちゃんは喜び、自分たちのゴールに向かう。
あたしと松本は必死に追いかけた。
考えるのは、あとだ。答えなんて見つからないかもしれないし。
今は必死に。勝つことだけを考えよう。
「ハイ…。すんません」
あたしたちは、見事負けてしまった。