近距離ロマンス
朝、教室を開けたら。
ちょうど松本と由宇ちゃんが言い争いをしているところ。
昂汰くんはというと、近くの席で、頬杖をついて、ゆったりと見学しているごようす。
おいおいおいおいおい、昂汰くんやい。
少しは止めようとは思わないのですか。
楽観視できないのはあたしだけでありましょうか。
松本たちと昂汰くんを見比べて、どちらかというと安全地帯に足を進めた。
「昂汰くん、ちょっと」
「おはよ梅澤。これはね、文化祭についてのけんか」
「わかるよ!止めないの?」
「あー、見てたほうが楽しいよ」