近距離ロマンス


二つは同じ種類で、炭酸だ。


それをあたしが持っているかごに入れた。




「俺たちのはこれ」




それは自分で持ったまま、レジに向かう。




「ちょ、会計」


「それくらい俺が払うし。いいこと思いついたから早く行こ~」




あたしはその場から動かずに、下唇をかんで、うつむいた。


今ぜったい顔赤い。


松本はSだけど、意地悪だけど、ちゃんと優しいんだ。


そんなことで赤くなってしまうあたしが悔しい。





「で?いいことって?」



「あぁ。そうだった」



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