近距離ロマンス
「もしかして、好きなの?」
「遅いよ。松本はとっくの昔に気づいてたよ」
「それなら、応援のときも遊園地の時も、髪を巻くのも理解できるわ…」
「言ってなくてごめんね」
「いいよ。今聞けたから」
あたしがにっこりと答えると、由宇ちゃんはもじもじと視線を彷徨わせた。
え、なに?言ってくれてうれしかったよ。それともなにか?
「あたし、昂汰と付き合ってるの」
「え、」
「や、ホラ。咲良と松本に悪いからさ、咲良たちが付き合ってから言おうと思ってて…」
もじもじと、居辛そうに、でもうれしそうにしている由宇ちゃんを見て、あたしはうれしくて微笑んだ。
「由宇ちゃん、かわいい!!」
「っっ」