近距離ロマンス
梅澤の家まであと少し。
あと角を曲がって少し歩けば、一軒家がある。
ちょうどおばさん2人が話しているのに遭遇した。
手には回覧版。これが井戸端会議ってやつだろう。
「救急車がいてびっくりしたわ。梅澤さんちも大変よね」
「うん、あれ見たらだれだってまいっちゃうよね」
梅澤んちの、話…?
俺は自然に立ち止まっていた。
救急車?梅澤?まいっちゃう?
俺は走り出していた。
角を曲がってすぐの梅澤んちのインターホンをぶつかるようにして押した。