近距離ロマンス
かなり連打した。
数秒経ったところで、「はぁい…」と小さな声が聞こえた。
テンションの低めの確かに梅澤の声。
ゆっくりとかぎを開けて、ゆっくりとドアを開こうとしたんだろうけど。
待ちきれずに、俺が開いた。
「おま、梅澤…っ?!」
とりあえずいつものように罵倒してやるつもりだった。
目を見開いて、言葉が出なくなったのは、梅澤のテンションの落ちようと泣いてできるはずの腫れぼったい目を見たせいだ。
「あ、松本?なに、来てくれたの…」
「っ」
見てらんなかった。声がか細くていたいたしい。
たった1日でやつれた梅澤の手首を引いた。