近距離ロマンス


いつもより細く感じた。折れそうだった。




梅澤を胸の中にしまって、後ろ手でドアを閉めた。



どうして、俺はこんなことを。


考えるより、体が動いてしまっていたんだ。





「松、本…?」


「きのう、寝た?」


「…ううん」


「飯食った?」


「ううん…」


「泣いた?」


「…うん…」



「よぉーし、わかった!」


「?!」




俺は梅澤の首に足に手をかけて、お姫様抱っこして持ち上げた。


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