近距離ロマンス
半熟ぎみに作られたオムライスを一口含んだ。
「お、おいひい!」
「だろ?おまえ半熟好きだもんな」
ニッ、と自慢げな笑顔。でも、いつものSっけはなくて…。
「どうして、今日はそんなに優しいの?」
「どうしてって、べつに」
「おとといのが原因? あたしがなんかしちゃったから?」
松本はきょとんとして、あたしから視線をそらした。
それから、ハ…と、吐き出すように笑った
「ごめん、俺が悪いよ」
「どうして、」
「黙って、聞いて」
ベッドのはしっこに、松本は座った。
身をひねって、あたしと視線を合わせた。