近距離ロマンス


…泣きたくなった。

どうしようもなく、目頭があつくなる。



松本はなにを。




「今さらだって、わかってる。さんざん、傷つけたって。ほかにもいいひとはたくさんいるだろうって…
わかってる。わかってるんだけど、ごめん」


「なに、が」



心臓が、変なふうに鳴っている。


なにを言われるのか、やっぱりあたしには想像もできなくて。

もしかしたら、友達はむりだとかきらいだとか言われるんじゃないかって。




「でも、俺は。好きなんだよ、梅澤が」



涙が引っ込んだ。


搾り出すように言われた言葉は、思ってもみない言葉だった。


友達はむりだでもきらいでもなくて、

――好き…?


< 178 / 200 >

この作品をシェア

pagetop