近距離ロマンス
陸上競技と友達と
「あーめんどくせ」
となりの席の昂汰くんがつぶやいた。
あたしはその言葉を拾って、つっこんであげる。
「何が?」
「朝練」
「へえ」
そういえば。昂汰くんは陸上メンバーに選ばれたんだ。
律富学園には、陸上部というものがない。
大会とか、その時のために、臨時で陸上部が作られる。
体育の成績や、体育の先生の目で、出場者がきまる。
昂汰くんは、足が速い、となって出場することになった。
「練習めんどい?」
「かなりだりぃ。バスケできないし。つまんない」
「そか」