近距離ロマンス



後ろからポンと手を置いたのは、昂汰くん。

あたしの前の、自分の席に座った。




「おめでとう」



…あたしはそれをどんなふうに捉えていいのかわからなかった。


松本とのこと?お母さんが退院したこと?




「昂汰くん、それってちなみに…、どっちのこと?」


「え、どっちってふたついいこともあるの~?」




なんだ、このにやにや顔。

由宇ちゃんも同じようににやにや。



「ヴ。」となんだか詰まってしまう。


顔にだんだん熱がこもってきて、赤面してきた。

恥ずかしい恥ずかしい…!




「ん~?松本となにがあったのー?」



わかってるくせに!


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