近距離ロマンス
あたしの背中の教室のドアが開かれて、後ろに倒れていく。
そのあたしを助けようと、Bが手を伸ばして。
ドアを開いた張本人があたしの背中を受け止めてくれて。
「…重い」
正確にいうと、あたしを助けようとして失敗したBがあたしの体に重なっていて、それを支えている松本さん。
あたしとBは、手がないバージョンで抱き合っているようなものだ。体はけっこう密着していた。
「わー! ごめん。重いよな」
「や。…松本ごめん」
「ね、梅澤」
「ん?」
みんなの視線がやたら集まっていて恥ずかしい。