近距離ロマンス
***
「やっぱり、ここにいた」
後ろから声がして振り返ると、Bがいた。
「寛くん」とあたしは呟いた。
寛くんとは、さっきの、クラスメイトBのことだ。
「風に吹かれるってここしかないなぁって。やっぱり、咲良ちゃんはそこにいた」
呟いて、納得したのか、1人微笑んでいた。
「朝とか、さっきはごめんね、あいつが」
「んーん。いーよ」
「そんでさ、ちなみに言っとくと、俺、咲良ちゃんと同じクラスじゃないよ」
「え…。うそ!」
「6組だよ。朝とさっきはたまたまクラスに遊びに行ってたのね」
「そ、そっか。去年同じクラスだったから…」
「いやぁ、覚えててくれて光栄です」
6組の寛くんは頭をかいた。