近距離ロマンス


あたし、クラスメイトなのかも区別できないでサイアクだ…!




「そ、それで、俺がこれからなにを言いに来たかと、申しますと、」


「あ」



寛くんの言葉に重ねて、あたしは、屋上に入ってくる松本に気づいて小さく声をあげた。



「はい、寛くんタイム終了~。俺、今からこいつと大事なはなしあっから、席外してくんね?」


「っ、俺が今からなに言おうとしてたか…!」


「わかる、わかる。朝、こいつの胸もんじゃって、どっきゅんこ、だろ~? でもねぇ、」


松本が、両手で寛くんを屋上出口に誘導しながら、言った。



言ってくれた。やられた。

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