近距離ロマンス
「それを見逃したのに、寛くん、ってばねぇ?」
「見逃すって、あたしがされたことじゃん」
とうとう、あたしをとらえた。
あたしの背のフェンス両脇に手をつけて、あたしを逃がさないようにするために。
「梅澤は、俺の彼女じゃんかよ」
「っ……、ほんとに…?」
「うん。あ、不安がってた?」
涙がでそうなあたしを至近距離で見つめる。
かっこよすぎるからやめてほしい…。
「あたしが弱ってたから、告白して、あたしを喜ばせようとしたのかな、って…」
「! …。まじおまえそんなこと考えてたの?」