近距離ロマンス
みんなの視線を集めているのにも関わらず、松本は涼しい顔。
音楽を聴きながら、軽快に歩きながら、さらには携帯をいじりながら。
松本があたしに送って、返信していないメールを待っているのだろうか。
いやいや。それはないだろーけど。
いやいや、あたしの返信を待っててくれたらうれしいけど。
『今日もバスケするぞ!』なんて…。
なんて、いつもどうりの内容。
あたしたちは仲のよい友達で、いい仲間だ。
親友だし、今日だって、いつもどうりバスケをして、ばかやって…。
男と女の友情。親友なのに、いつもそばにいるのに。
近いようで遠いんだ。あなたとの、恋人以上…は。
『ずっと、なんだかんだ、好きなんだ。……恋愛として』
『…ごめん。おまえとは友達以上だけど恋人未満って考えたら。
この関係のままのほうが、楽しいと思うんだ』
ついおととい、言ったばかりの言葉。言われたばかりの言葉。