近距離ロマンス
あたしはその瞳に続きを返してやる。
「自分もよく遅刻するくせに、人がするときれるよねー」
この間あたしを30分も待たせたのはどこのどいつだ。
「んでさ、メールとかで、相手から送ってきたくせに、相手がぶちりやがって、とか思ってるんでしょ」
「んなっ…思ってねぇ」
「図星だと思ったでしょ。だってあたし、よく松本にされるもん」
にっこりと微笑むと、松本は言葉をつまらせた。
誤魔化すように、もうほとんどカラのジュースを飲んだ。
もう氷くらいしか入っていないため、スコーと音がする。
「別にいいけどね。あたし、心が広いし」
「へぇ…」
松本は、嘘だ、という顔でつぶやいた。