近距離ロマンス





***




「そっか、告ったんだ」




あたしはさっそく、おとといのことを友達の由宇(ゆう)ちゃんに伝えた。


さっそく、じゃないけど、きのう泣いて心は落ち着いた。


だから今日由宇ちゃんの前で泣くなんて、昼休みに学校で泣かない。




「つい、おとといの話だよ?でも松本は普通の態度なの」


「松本の態度からして咲良に告白されたって、わかんないね」


「だからそこがまた複雑で…」


「でもよかったじゃん」



由宇ちゃんは得意のかわいい笑顔をあたしに向けた。


あたしはハァ?と由宇ちゃんを見た。



振られてどこがいいって…。




「あんたらは友達どうしのがいいって」


「そうかもだけど、あたしは松本のことが好きなんだよ」


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