近距離ロマンス
女子トイレの中でガールズトーク。
ここはあたしたちの溜まり場なので、大声でぶっちゃけてもだれかに伝わることはない。
たとえだれかが聞いてしまったとしても、今のところのあたしなら、松本に聞こえないならいいの。
「泣いた?だいじょうぶ?」
「泣いたさ。でも今日の松本を見るとあほらしくなってくる」
あんなにもいつもどおりで。告白された相手なのに意識もなくて。
一人どきどきしているあたしはあほみたいだ。
期待しているあたしがむなしい。
「それはやっぱり、あたしたちが友達どおしだからではないですかねー」
「うん。友達だよ」
「あたしたちが、よ。気まずくなるじゃない?だから態度だっていつもどおりなの」
「…」
「松本だって、考えて気を使ってんのよ!」
「うーん」
「あたしたちは4人仲良しなのに、あんたと松本が変だとあたしたちにまで影響するじゃん」
「そうだけど」
そう考えると、松本が正しく思えてくる。