近距離ロマンス



あたしと松本は競い合うようにして、カラオケの中に入った。


競い合っていたけど、入るのはほぼ同時。


競歩によって、二人の息はぜはぜはと荒かった。





「梅澤は何号室よ」


「いちにさんごうしつ」


「123号室…」




松本は片手に持っていた携帯を開いた。





「あ…」


「は?」


「いやはや偶然。こんなこともあるもんだね」

< 94 / 200 >

この作品をシェア

pagetop