【完】復讐の元姫
「俺はさぁ、」
「………」
「シオがアイツ等とああやって決別してから、ずっと一緒にいるだろ?」
いる、というか。
付きまとわれてる、というか。
「……そうね」
でも実際、彼は私を見捨てたりなんてしなかった。
あの日も、彼だけは私を引き止めてくれた。
「今も、お前が裏切ったとは思ってないんだよ」
「え、」
「だって、お前さ」
カップを持つ手が震える。
きゅっと、震えないように力を込めた。
「今でも、麗のこと好きなんだろ?」
……ああもう、なんで?