【完】復讐の元姫
父親はそれなりに大きい会社につとめていて、役職も大きかった。
だからこそ、少しの贅沢はさせてもらってきたから。
だけど。
母親が出ていくとき、俺に一言言ったんだ。
「あたしは、あんたが世界で1番嫌い」
昔から、そうだった。
俺は頭もそこまで良くなかったし。
友達と仲良くしてたと思っても、すぐケンカになる。
しかもなぜか、全て俺が悪いことになる。
父親とケンカしても、母親は父親の味方。
母親とケンカしても、父親は母親の味方。
誰も、俺の味方にはなってくれなかった。
だから。
“何も出来ない”自分が、嫌いだった。
アイツ等と、出会ってからもずっと。