【完】復讐の元姫
:2年越しの笑顔
【side沙和】
学校案内を終え、屋上に来てすぐ。
麗のスマホに、奈々ちゃんから「体調悪いし帰るね」という連絡が入った。
「……送って来る」
「あ、麗、」
「どうした?」
「……ううん、なんでもないよ」
いってらっしゃい、と麗を送りだすシオ。
その笑顔がどことなく弱々しいことに、俺以外の誰が気付いたかは謎だけど。
麗は「すぐ戻ってくる」と彼女の頭を撫でて、屋上を出ていった。
麗がシオを好きなのは一目瞭然。
でも、奈々ちゃんが正式な姫だ。
麗は放っておけないんだろう。
「大丈夫だよ、シオ。そんな不安な顔しなくても」
「へ?」
「麗、すぐ戻ってくるから」