【完】復讐の元姫
黙った私に、時雨は「図星だ」って笑うけど。
「な、んで……」
「ん?」
「私が、麗のこと好きだって……」
「だから、言ってんだろ~?」
時雨は、自分のカフェラテに口をつけてから。
「俺、シオのこと好きだから」
「っ、」
いつも、ふざけてるくせに。
そうやって真剣な顔されたら、誤魔化すことも出来ない。
「だから、分かる。
お前が麗のことしか見てないことぐらいな」
本当、時雨はずるい。
いや、ずるいのは私の方だ。
本当はずっと、時雨の告白が嘘じゃないことぐらい知ってた。
だけど、あえて気付かないフリをしてるんだから。