【完】復讐の元姫
麗が、優しく彼女の頭を撫でて。
「別に、普通だったよ?
族関係者でもなさそうだったし」
「そうか」
寒かったのか身を捩って麗にすり寄る彼女に、麗は自らのブレザーを脱いでかけてあげていた。
……麗、絶対寒いでしょ。
ただでさえ、寒がりだっていうのに。
「一応、調べとけ」
「了解。で、麗の上着も取ってきてあげようか?」
下にある空き教室にパソコンがあるから、そこで作業するんだけど。
冬の間の拠点というのが、そこなんだけど。
「あっちには長ソファないから、汐乃が寝られないだろ。
別に上着はいらねぇから」
……意地っ張り、だね。
「そっか。じゃあ、昼には戻ってくるから」
でもまぁ、麗が風邪引いたらシオが看病してくれるだろう。
奈々ちゃんには悪いけど、俺は麗の彼女にふさわしいのはシオだと思ってるからね。