【完】復讐の元姫
「いや、大事なとこそこじゃねーよ!!」
「え、逆にどこが大切なのー!!」
「……ひさしぶりに、シオの笑顔見た」
「……あ」
梨緒が、目を見開いた。
「……シオちゃん」
「……別に、私も笑うけど」
それがどうしたの?と言う彼女は、気付いてない。
今の笑顔が、シオが姫だった頃に毎日シオが見せていた笑顔で。
「……なんでもないよー。
お腹空いたー」
「俺も腹減った」
「沙和の奢り、ありがたくいただくわ~」
シオが、俺等から離れてから。
1度も見ることのなかった、消えてしまった笑顔だったということなんて。
【沙和sideend】