【完】復讐の元姫
:隠された感情
翌朝。
「……へ?」
昨日は倉庫に寄らず、そのまま帰って来た。
そして朝学校に向かう前の、食卓で。
スマホが鳴ったと思えば、相手は沙和。
電話に出て内容を聞いた私は、不覚にも間抜けな声を出した。
『あのね、昨日屋上で麗寝てたでしょ?
ブレザー着てなかったからさ、風邪引いたらしくて』
熱があるみたいなんだよね、と告げた沙和は。
『シオ、麗の家で看病してあげてくれない?』
意味が分からない。
なぜ私。
確かに私が風邪を引かせちゃったかもしれないから、仕方ないけど。
『なんか、奈々ちゃんあれからまだ体調悪いらしいんだよね。
今日も学校休むらしいから、シオしかいなくて』
……そういうこと、か。
と、いうよりも。