【完】復讐の元姫

:隠された感情




翌朝。



「……へ?」



昨日は倉庫に寄らず、そのまま帰って来た。



そして朝学校に向かう前の、食卓で。



スマホが鳴ったと思えば、相手は沙和。



電話に出て内容を聞いた私は、不覚にも間抜けな声を出した。



『あのね、昨日屋上で麗寝てたでしょ?

ブレザー着てなかったからさ、風邪引いたらしくて』



熱があるみたいなんだよね、と告げた沙和は。




『シオ、麗の家で看病してあげてくれない?』



意味が分からない。



なぜ私。



確かに私が風邪を引かせちゃったかもしれないから、仕方ないけど。



『なんか、奈々ちゃんあれからまだ体調悪いらしいんだよね。

今日も学校休むらしいから、シオしかいなくて』



……そういうこと、か。



と、いうよりも。



< 122 / 392 >

この作品をシェア

pagetop