【完】復讐の元姫



「……あ、の、」



『うん?』



「今、家って言った?」



倉庫、じゃなくて?



『ああ、うん。

麗が家に帰るの珍しいんだけど、昨日帰ったら?って言ったら案外素直に帰ったよ』



……なんだろう。



沙和に全部仕組まれてる気がして怖い。




『でもまぁ、麗の家って倉庫のすぐ近くだからさ。

俺等も今日は学校サボるつもりだし、何かあったら倉庫まで来てくれる?』



総長が行かないなら、自分たちも行かない、と。



でも、私が学校に行ったところでみんながいないなら、私はあまり良いように見られない。



「うん、わかった」



準備終わったらとりあえず倉庫行くね、と告げて電話を切る。



ハルトは食べ終わった私の食器を片づけながら、首を傾げた。



「どうかされたのですか?お嬢様」



< 123 / 392 >

この作品をシェア

pagetop