【完】復讐の元姫
「……あ、の、」
『うん?』
「今、家って言った?」
倉庫、じゃなくて?
『ああ、うん。
麗が家に帰るの珍しいんだけど、昨日帰ったら?って言ったら案外素直に帰ったよ』
……なんだろう。
沙和に全部仕組まれてる気がして怖い。
『でもまぁ、麗の家って倉庫のすぐ近くだからさ。
俺等も今日は学校サボるつもりだし、何かあったら倉庫まで来てくれる?』
総長が行かないなら、自分たちも行かない、と。
でも、私が学校に行ったところでみんながいないなら、私はあまり良いように見られない。
「うん、わかった」
準備終わったらとりあえず倉庫行くね、と告げて電話を切る。
ハルトは食べ終わった私の食器を片づけながら、首を傾げた。
「どうかされたのですか?お嬢様」