【完】復讐の元姫
「あの、麗が熱出しちゃったらしくて」
「ああ、お嬢様の元カレが」
……なんでこう、ハルトはこういう言い方をするんだろうか。
元カレとか言わないでほしい。
「で、看病頼まれたんだけど」
「学校までお送りいたしますね、お嬢様」
「っ、だから!
昨日私のせいで麗が熱出しちゃったかもしれないから、看病しに行きたいの!」
だから麗の家まで送って!と言った私に。
「……お嬢様」
「お願い」
「……はぁ。
お願いも何も、私はあなたに仕える執事ですから逆らえるわけがないでしょう」
その代わり、連絡は忘れないでください。と。
言った彼に何度も頷くと。
「心配ですから」
そう言いながら、頭を撫でられた。