【完】復讐の元姫
ガチャリ、と。
その鍵で扉を開けて、「お邪魔します」と中に入る。
「……麗ー?」
返事がない。
鍵をポケットに入れて、そのまま2階へと上がる。
彼の部屋は、確か2階に上がってすぐ。
「麗、いる?」
コンコン、と。
軽く扉をノックするけど、やっぱり返事がない。
「………」
そろ、と。
扉を開ければ、あの頃と何も変わっていない部屋。
そして。
「……麗、」
ベッドで眠っている彼を見て、少し安心した。
どうやら、寝てたみたいだ。