【完】復讐の元姫



『あはは。シオ、素直すぎだから』



裏切ってない、と今更口に出すのも躊躇われて。



ちょっと話した後、麗にキスされた。と、手短に伝えれば。



そんな笑い声が返ってきて、ちょっとイラッとする。



「言えって言ったの、沙和なのに」



『はいはい、ごめんね。

でも、これで実証できたよ』



へ……?実証?




『……シオ、さ。

本当は2年前、裏切ってないんじゃない?』



「………」



『シオ、嘘つけないもんね』



泣きそうになる。



『ごめん、シオ。

疑って、信じてあげられなくてごめんね』



見えないけど、首を横に振る。



「沙、和……っ」



< 147 / 392 >

この作品をシェア

pagetop