【完】復讐の元姫
『とりあえず、梨緒と凌には俺から話すね』
「え、」
『時雨は元々、シオの味方だろうし。
麗は、わかんないけど』
「いや、でも、」
『帰ってきたら、ちゃんと謝るから。
本当にごめんね、シオ』
許してもらえることじゃないけど、と。
付け足される言葉に、胸が痛む。
あの時逃げた私も、きっと同じだ。
ちゃんと、こうやって。
何度だって話しあえば、分かってくれたかもしれないのに。
私は自ら、それを投げ出した。
「ありがと、沙和……」
『どういたしまして。
あと、麗のことよろしくね』
それに返事をして、電話を切る。
「はい、」