【完】復讐の元姫
:2度目の復讐
「ん。落ちついたか?」
優しい声に、小さく頷いて。
出してくれたミルクティーをゆっくりと口に含めば、甘い味が口の中で広がる。
あの、あと。
麗の顔なんて見れなくて。
時雨に抱き寄せられたまま、倉庫に帰ることなく。
私は、時雨の家に来ていた。
とりあえず、倉庫に残っていて状況を知らない沙和だけは味方につけよう、と。
時雨が沙和を呼んでくれたから、もう少しで来るはず。
「時雨、って」
「ん?」
「……ひとり暮らし、だったっけ」
どうにも暗い空気が嫌で、そう言った私に。
「あ~、2年前は実家だったな」
「じゃあ、」
「つい最近、ひとり暮らしデビューしたんだよ~」