【完】復讐の元姫
:抱えていたもの
【side梨緒】
ちょっとした苦しい空気が、僕は苦手。
思わずため息をつくと、沙和ちゃんが小さく笑った。
「凌ありがとね」
「あ?」
「シオの味方になってくれたらしいじゃん」
「あー、別に」
そう言う凌くんは、来る前に沙和ちゃんに言われたみたいで。
シオちゃんのカバンを持ってきていた。
その中に本当にあったらしい盗聴器(怖いから本体は見れなかった)は、沙和ちゃんがさっきと同じように壊していたけど。
「んで、なんの話し合い~?」
この面子すげーひさしぶりな気がする、と言ったしーくん。
麗くんは、何も言わないままで。
「直球にいくけど、みんなシオが裏切り者だとはもう思ってないでしょ?
で、裏切り者が奈々ちゃんってことも分かってる」
「……そうだねぇ」