【完】復讐の元姫
はぁ、と小さくため息をついた麗くんは。
「乗せるのは手伝えよ」
「はいはい」
ソファから降りるとしゃがみ込んで、沙和ちゃんが軽々と彼の背中にシオちゃんを乗せる。
え、今の扱い大丈夫?
「ほら、行くよ」
雑じゃない?と思いつつ、外に出る。
麗くんの背中でスヤスヤと眠ってる彼女は。
「ふふー。麗くんがんばれー」
すごく、幸せそうな気がした。
倉庫に着くと、麗くんは先に部屋へ行ってしまう。
きっと、言われた通り彼女が目を覚ますまで傍にいるんだと思う。
言われなくても、傍にいたと思うけどねー。
その間僕等は暇してて、放課後になれば帰ってきたみんなに伝える。
下っ端はみんな、事実を知って喜んでくれた。
……シオちゃん、愛されてるね。
「絶対姫は、シオちゃんになるんだからー!」
僕の、叫びに。
おー!!という声が、倉庫の中で上がった。
【梨緒sideend】