【完】復讐の元姫
「最近、寝不足だったんじゃないのか」
「え」
「ここ最近、疲れてただろ」
なんで、バレちゃうんだろ。
「……ちょっと、寝不足だった」
徹が、敵だったということと。
彼に襲われそうになったということを考えたら、眠れなくて。
最近はずっと、ハルトに眠るまで一緒にいてもらっていた。
「あんま、無理すんな」
彼は優しくそう言ったかと思うと。
繋いだ手の、指と指を絡めた。
「麗、」
「俺が心配するから」
麗が立ち上がって、それから私の顔の両横に手をついて。
「れ、い」
彼の名前を呼んだ時には、もう唇を塞がれていた。