【完】復讐の元姫
「っ、」
この間も、されたけど。
やっぱり、彼のキスは甘くて。
動こうとしたけど、指が絡められてるせいでそれも叶わない。
「んっ、」
「汐乃」
優しく囁かれる名前に、思考が追いつかない。
ただひたすら、彼のキスを受け止めたあと。
「……汐乃」
ベッドがギシッと音を立てたかと思えば、彼の指先が私のボタンを外していく。
「麗、待っ……」
「無理」
「無理じゃなくて……っ、」
だめ、と言おうとした私を、彼は真剣な表情で見つめたかと思うと。
「アイツにどっか、触られたか?」
「え、」