【完】復讐の元姫
彼等が送り出してくれると、車はゆっくり出発して。
「仲直りされたんですか?お嬢様」
「……うん」
「あの元カレとも復縁を?」
「……まだ、だけど」
そうなるかな、と言った私に。
「……お嬢様、大事なことを忘れておられませんか」
「え?」
「お嬢様は先延ばしにされていましたが、これ以上延ばせません」
それを聞いて、体が凍りつくかと思った。
……ああ、私。
「婚約のお話、忘れておられませんか」
何を甘いこと考えてたんだろう。
私、には。
「もうお相手も決定しております。
今更、変更も出来ません」
──甘い恋なんて、向いてないのかもしれない。