【完】復讐の元姫
「ずっと言わないつもりでしたが、お嬢様」
「な、に?」
「……私がお嬢様のことを好きだというの、ご存知でした?」
ひとりのご令嬢として、と言われて。
「そ、んな」
こんな誰も幸せになれない世界なんて、なくなればいいのにと思った。
彼が、私を好きで。
私は、麗を好きで。
麗を選べば私も麗も幸せになれるけど、ハルトが不幸になる。
逆に。
ハルトを選べばお金持ちの裕福な生活は出来るし、ハルトは幸せだけど。
私も麗も、幸せに離れない。
……どうしたら、良いんだろう。
麗が、好きなのに。
どうして世界は、こんなにも不平等なんだろうか。