【完】復讐の元姫



『汐乃』



「れ、い」



『……なんかあったのか?』



「ううん、」



大丈夫、と。



涙を堪えて、返事する。



『……泣いてるのか、汐乃』



それなのに、彼が気付くから。




「っ、れい……」



『どうした?』



「っ、」



どうすれば、いいの。



私、婚約を引き受けたりするんじゃなかった。



「好、き」



麗のことが、大好き。



『汐乃?』



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