【完】復讐の元姫
:宣戦布告
──いつも通りの、朝。
「いってらっしゃいませ」
なんとなくいつもより口数の少ないハルトに見送られて、教室に向かう。
その途中。
「しーおーちゃんー!!」
近所迷惑じゃ?と思うほど大きな声で名前を呼ばれた。
振り向け、ば。
「うっさいんだけど」
「そんな遠くにいるんじゃねーんだからよ」
「梨緒ちゃんはお子ちゃまなんだねぇ~」
顔をしかめている沙和と、呆れてる凌と、楽しそうに笑ってる時雨。
「えっ、ひどい!」
私を呼んだ梨緒は、涙目で。
──そして。
「はよ。汐乃」
頭を撫でてくれるのは、私の大好きな人。