【完】復讐の元姫
疑いもしなかった奈々とみんなで、屋上に向かう。
扉を開ければ、冷たい風が吹いて。
「……ねえ、奈々ちゃん」
いつものように腰掛けた奈々。
彼女に向かって、沙和が口を開く。
幹部は誰も、ソファに座る気がないみたいだ。
「なに?突然。みんな座らないの?」
「その席、シオに変わってもらっていいかな」
「え?」
首をかしげた奈々に、今度ははっきりと。
「姫の席、シオに変わってくれる?」
沙和が告げた。
「え、何?どういうこと?」
「そのまんまだっつーの。
お前頭悪いのか」
「変われ、って」
「そのまんまだよー、奈々ちゃん」