【完】復讐の元姫
「っ、」
狂気じみたその目に、怖くなる。
「麗、」
「大丈夫だから、安心しろ」
「っ」
優しく麗に抱きしめられれば、次第に落ちついて。
「汐乃」
「う、ん」
ゆっくり顔を上げれば、私の髪を麗が撫でる。
「家に連絡しろ。
しばらく、お前倉庫に泊まれ」
「え、」
「家に置いといてもいいけどな。
倉庫なら、仮に夜でも下っ端も幹部も結構揃ってる」
お前には誰も触れられない、と麗は言って。
「でも、麗。
シオなら、自分の家の方が安全なんじゃない?」
「……汐乃に家から出るなって言うのか」