【完】復讐の元姫
「そうじゃないって。
ただ、そっちの方が安全かなって思っただけだよ」
「……別に、それでもいいけどな」
麗は私の額に小さくキスを落として。
「お前、家にいるの嫌なんだろ」
「え、」
なん、で?
私、麗にそんなこと言った記憶ないのに。
「昔から帰りたがらなかったからな」
見てたら分かる、という彼。
「家に、いたくない」
「……ああ。だから倉庫にいればいい」
「……うん」
「基本俺と行動しろ。
それ以外は、幹部ふたりなら一緒にいてもいい」
「……うん」
「学校は休んでも大丈夫だろ、お前」
成績良いし、と言う彼に小さくうなずく。