【完】復讐の元姫
「……これは、ね」
それをひとつひとつ丁寧に教えてあげれば、彼は理解してくれるのだけれど。
「そっかぁ、わかった!」
なかなか、次の問題には進めない。
中学の内容が理解しきれてない彼が、高校の分まで勉強するなら。
相当あると思う。
自業自得、だけど。
「どう?シオ。
梨緒の相手、大変でしょ」
そう言いながら私にミルクティーの缶を渡してくれる沙和。
それを、「ありがとう」と受け取る。
「ちょっ、沙和ちゃんシオちゃんに甘くない!?
僕等に奢ってくれたことほとんどないじゃんー!!」
「何言ってんの。
この間飲み物奢ってあげたでしょ」
「それとこれとは別なのーっ!!」
「ほらほら梨緒、そんなことしてると時間ないよ?
梨緒のために、わざわざみんなシオ貸してあげてるんだから」