【完】復讐の元姫
なんとかそれを、なだめようとするけれど。
「もっと汐乃に触れたい」
そう言って彼が、首筋に顔を埋めるから。
「……あと30分だけ、ね」
「もう1回はいけるな」
「いや、無理……っ」
今日だけね、と自分の心の中でつぶやいて。
彼が口づける位置を下げるのを横目に、昨日のことを思い出す。
昨日の夜、どうやら沙和も勉強しないといけないらしく。
早めに戻ってきた麗と、時間が余り。
麗も勉強しないといけないんだけど、彼は頭が良いから(実質毎回テストは学年3位だし)。
「……麗」
「ん?」
「……たぶん、もう大丈夫」
なぜか、そういう展開になって。
今起きて、この状況。