【完】復讐の元姫
ようやく離れてくれた彼にホッとしながら、体を起こす。
そろそろ行かないと怪しまれる、と服を着るために起きあがろうとしたところで。
ヴー、とスマホが震えた。
「メールか?」
「ううん、電話」
先に着替えていた彼は、それを聞いて遠慮したのか「先行ってる」と部屋を出ていく。
窓からの光が反射して見えなかった画面が、出ようとしたら見えて。
「っ、」
なんで、奈々?
何言われるか分からないけど、無視するわけにもいかない。
「もし、もし?」
『ひさしぶり。
今から言うこと全部メモして』
メモ?
近くにあった紙と、勉強を教えるために使ってたペンを筆箱から出して。
『言うわよ。12月──』
……───