【完】復讐の元姫
もし、だ。
万が一、シオを安全なところに隠しておいても。
シオが、決戦の場所に来てしまったら。
「……取り乱す、か」
きっと、麗も取り乱すと思う。
なんだかんだ、麗はあの子を放ってはおけないから。
姿を見たら、危険を冒(おか)してでもあの子を護ろうとするんだろうな。
「なに?沙和ちゃん」
「ううん、なんでもないよ」
「それにしても、酷なもんだよねぇ」
日程、と告げる梨緒。
確かに、酷だと思う。
「……ほんと、奈々ちゃんは何がしたいんだか」
1階に下りて、下にいたメンバーを集める。
時雨と凌は、それぞれ自分の部屋に向かったけど。
ふたりとも役があるから、そっちの確認に回ってるんだろう。