【完】復讐の元姫
BLACK*2
:始まりは些細な嘘
カフェを出た私たちは、近くのショッピングモールを軽くウロウロした後。
フードコートで少し早めにお昼を食べ、昼休みに学校へと戻った。
本当は戻る予定はなかったのだけれど。
「……ここ、もう来ないと思ってた」
「これから来ること増えるかもな~」
復讐を早速実行するため、戻ってきた。
と、いっても。
卒業するまでの長期戦だし、些細な嘘から始めることになってる。
その嘘を、彼等に伝えに来ただけだ。
ガチャリ、と。
時雨が屋上の扉を開ければ、一気に視線が私たちに向く。
「シオ、ちゃん?」
奈々の戸惑ったような視線を無視して、私は時雨の手を優しく握った。
──さあ。
「俺から報告~」
復讐の始まり、だ。